24Vが落ちる

⚡電気トラブル⚡

PLCのRUN表示は点いている。

でもセンサが反応しない。

バルブが動かない。

操作盤のランプも消えている。

なんやねん!!!!😠

こういうとき、まず疑うべきは制御電源(PLCや現場機器に電力を供給するDC電源)ではないでしょうか。

古い盤では制御電源も100Vや200Vが多いですが、
最近製作されている盤の制御電源はほぼ24Vで共通な気がします。

PLCも最近のものは24Vでも動きますが、PLCの電源とセンサやバルブを動かす24Vは別系統になっていることがほとんどです。

PLC本体は生きていても、24Vが落ちていれば現場の機器は一切反応しません。

「PLCが動いてるのに設備が動かない」──その正体が24V電源断だった、というのは現場でかなり多い話です 🏭

ワイは電気保全の現場でこの手のトラブルを何度も対応してきましたが、
原因は大きく3パターンに絞れると考えています。

今回はその3パターンについて考えを述べていきたいと思います。


パターン1:電源容量オーバー ── 突入電流による瞬低を含む ⚡

最初に疑うのは、電源ユニットの容量不足です。

設備を導入したときは余裕があっても、
後からセンサを追加し、IOユニットを増設し、表示灯を足し……
とやっているうちに、定格容量ギリギリになっていることがあります。

しかも増設分が図面に反映されていないケースが多い。

誰も容量を超えていることに気づかないまま運転が続く。

特に厄介なのが突入電流(機器の起動時に定常時の数倍流れる瞬間的な大電流)による瞬低です。

ソレノイドバルブ(電磁弁)が一斉に動作する瞬間や、リレーが同時に励磁されるタイミングで、電源が一瞬だけ24Vを維持できなくなる。

この瞬低はテスターでは捉えられません。

オシロスコープやデータロガー(波形を記録できる計測器)で確認する必要があります。

確認ポイント:

  • 電源ユニットの定格電流に対して、実際に接続されている負荷の合計電流を計算し直す。後付け機器が漏れていないか
  • 余裕率が20%を切っていたら要注意。突入電流を考慮すると実質オーバーしている可能性がある
  • 特定の動作タイミングだけ異常が出る場合は瞬低を疑う

パターン2:短絡・地絡 ── 地絡の方が見つけにくい 🔍

24V系の配線が短絡(ショート:+24Vと0Vが意図しない経路で直接つながり、過大な電流が流れる現象)を起こした場合、電源ユニットのOCP(過電流保護機能)が働いて出力が遮断されます。

症状がはっきりしているので、起きたこと自体はすぐ分かります。

問題は地絡(回路の電流が大地に漏れる現象)の方です。

地絡はヒューズも飛ばない、OCPも働かない。

でも24Vが22V、21Vとじわじわ下がって、特定の機器だけ動作が怪しくなる。症状が中途半端なぶん、原因にたどり着くまでに時間を食います。

地絡が起きやすい場所:

  • 盤外配線(風雨・粉塵・油にさらされる環境)
  • 可動部(ケーブルが繰り返し屈曲されて被覆が破れる)
  • ケーブルベア内(配線が密集していて損傷が見えない)
  • 増設配線(後から引いた線は施工品質がばらつきやすい)

確認手順:

  • 電源を切った状態で、メガー(絶縁抵抗計)を使って各系統の対地絶縁抵抗を測定する
  • 全体で絶縁低下が出たら、ブロックごとに配線を切り離して絞り込む。切り離した瞬間に値が正常に戻れば、その系統が犯人です

地絡は「完全には壊れていない」からこそ発見が遅れます。

そして放置するとある日、本格的な短絡に発展します。

地絡は短絡の予備軍です。


パターン3:電源ユニット自体の劣化 ── CC-Linkが先に悲鳴を上げた話 🔧

電源ユニット内部の電解コンデンサ(電気を一時的に蓄えて出力を安定させる部品)が経年劣化で容量抜けを起こすと、出力電圧がじわじわ下がります。

設計寿命は5〜10年が一般的ですが、盤内温度が高い環境ではもっと早く進みます。

ワイが実際に遭遇したケースを一つ。

ある設備で「CC-Link異常」(CC-Link:PLCと現場の入出力ユニットを通信でつなぐフィールドネットワーク)が発生し、重故障扱いでラインが停止しました。

通信ケーブルを交換し、終端抵抗を確認し、ユニットのLEDを見て、、、
通信まわりを一通り調べたが原因が見つからない。

結局、犯人は24V電源ユニットの劣化でした。

出力が21V台まで落ちていて、CC-Linkの通信ユニットが先に電圧低下に耐えられなくなっていた。

PLC本体やI/Oカードはまだ動いていたので、電源が原因という方向に頭が向くまでにかなり時間がかかりました。

これは「症状と原因が離れている」典型例です。

24Vがじわじわ下がっていく過程で、電圧マージンが一番小さいユニットから順番に脱落する。

たまたまCC-Linkユニットがその「一番弱いところ」だったわけです。

最初に出る症状がCC-Link通信異常だから通信系を疑う──判断としては自然ですが、本当の原因は電源でした。

確認ポイント:

  • 電源ユニットの出力端子でDC電圧を測定する。23.5Vを下回っていたら劣化を疑う
  • 設置から5年以上なら予防交換を検討する。電源ユニットの単価は数千円〜数万円。突発停止によるライン損失と比べれば桁が違います 📊

まとめ:「複数の機器が同時におかしい」なら、まず24Vを測れ 📋

センサ1個だけ反応しないなら、そのセンサの問題かもしれません。でも複数の機器が同時におかしければ、共通の電源を疑うのが鉄則です。

24Vが落ちたときの手順、3ステップで整理します。

  1. 電源ユニットの出力端子でDC電圧を測る(30秒)──電圧が出ていない・低い・正常、で方向性が分かれる
  2. ヒューズの導通確認と、負荷側の短絡・地絡を切り分ける(5分)──メガーがあればなお良い
  3. 復旧したら原因を記録する──「24V電源断」だけで終わらせず、「どの系統の」「何が原因で」「再発防止は何か」まで残す

この3ステップを頭に入れておくだけで、復旧までの判断速度が変わります。


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