センサ異常の半分は”センサ以外”が原因

⚡電気トラブル⚡

センサが反応しない。出力値がおかしい。動作表示灯(LED)が点かない。

こういう症状が出ると、真っ先に「センサが壊れた」と思ってしまいます。

で、新品に交換する。だけど交換しても直らない。

この交換しても直らない現象、経験したことある方は多いのではないでしょうか 🔧

実際のところ、センサ異常で呼ばれて現場に行くと、センサ本体が壊れているケースは体感半分くらいです。

残りの半分は「センサ以外」に原因があります。近接センサでも光電センサでもアナログセンサでも、この比率はだいたい同じです。

※まんぬの体感です。😘

そしてセンサ1個の単価は数千円〜数万円。

それを原因不明のまま2個、3個と交換し、その間ラインが30分余計に止まっていれば、損失は数十万円単位です。

「とりあえず交換」は安い対策に見えて、実はかなり高くつきます。

センサを疑う前に、まず見るべき場所があります。


原因1:配線の断線・接触不良 🔌

センサ自体は正常に動いていても、信号が途中で途切れていれば、PLC側から見ればセンサが反応していないのと同じ症状になります。

よくあるのは、コネクタの緩み、端子台のネジの締め付け不良、ケーブルベア内での断線です。

特にケーブルベアの中は配線が繰り返し屈曲されるので、導体が疲労断線を起こしやすい。外から見ると被覆は無傷なのに、中の銅線だけ切れている。このパターンは目視では見つかりません。

確認ポイント:

  • 電気の故障対応の基本は「テスター当てて電圧測る」ことです。まずはきちんと電源があるか確認しましょう。
  • コネクタを一度抜いて差し直す。これだけで復旧するなら接触不良が原因の可能性大です。
  • 端子台のネジを増し締めする。手で回して動くようなら締め付け不足です。
  • 配線を手で揺すってみる。揺すった瞬間に信号が出たり消えたりすれば、その配線経路のどこかで断線しかかっています

地味な作業ですが、これを最初にやるかやらないかで復旧時間が大きく変わります。

センサを2個交換してから「あ、配線だた!👶」と気づいたときの虚無感は、できれば味わわないほうがいいです 😇


原因2:取付けズレ・検出位置の変化 📐

センサの取付けが振動でズレている、あるいはセンサではなく検出対象物(ワーク)の方がズレている。これも非常に多いパターンです。

もしくは現場がどういうわけかちょんちょんしちゃったやつですね。問い詰めても大体俺じゃないと認めなくて右手が出そうになりますが☠️

近接センサの場合、検出距離は機種にもよりますが、多くは数mm〜十数mm程度です。

つまり、調整が甘いと取付けボルトが振動で1mm緩んだだけで検出範囲から外れることがあります。

光電センサの場合も同様です。投光器と受光器の光軸がわずかにズレただけで信号が不安定になります。

検出対象物の方がズレているケースも見落としがちです。

治具の位置が微妙にズレた、ワークの形状が変わった、搬送ベルトが伸びて停止位置がズレた・・・センサには何の問題もないのに、「来るはずの位置にモノが来ていない」だけで異常に見えます。

現場で効くのは、動作表示灯(LED)の目視です。

対象物が来たタイミングでLEDが点灯すれば、センサ自体は検出できています。つまり原因はセンサより下流(配線やPLC側)にある。LEDが点かなければ、センサの前に対象物が来ているか、距離は合っているかを確認する。

LED一つで切り分けの方向が決まるので、これを見ずにセンサを外し始めるのはもったいないです 🔍

確認ポイント:

  • 取付けボルトの緩みを確認する。手で触って動くようならそれが原因の可能性大です
  • センサと検出対象物の距離を測る。仕様書に記載されている検出距離の範囲内に入っているか
  • 動作表示灯(LED)を見る。「光ったか光らないか」で、センサ側の問題か、それ以外かが分かれます

原因3:汚れ・粉塵・水かかり 🧹

光電センサの受光面に油やホコリが付着すると、光量が落ちて検出感度が下がります。

受光量が閾値を下回れば、対象物があっても「無い」と判定する。清掃したら一発で直った・・・このパターンは環境の悪い現場では日常茶飯事です。

近接センサの場合は、検出面に金属粉が堆積して誤検出を起こすことがあります。対象物が無いのに「有り」と出続ける。金属加工や溶接の近くに設置されたセンサでは、定期的に清掃しないと発生します。

水かかりも厄介です。

防水仕様(IP67等)のセンサだったとしても、コネクタ接続部のパッキンが劣化していれば内部に水が侵入します。水が入ると絶縁抵抗が低下して、出力が不安定になるか、最終的にショートして壊れます。

確認ポイント:

  • センサの検出面・受光面に汚れや付着物がないか目視で確認する
  • 周囲に粉塵、切削液、洗浄水の飛散がないか環境を確認する
  • 清掃して復旧するなら、清掃頻度を日常点検に組み込む

汚れが原因のセンサ異常は、新品に交換しても環境を改善しなければまた同じことが起きます。

センサを替えるより環境を何とかする方が先です。交換しても交換しても壊れるセンサがある場合、犯人は環境の場合が多いです。

風邪ひいていくらいい医者にかかって直してもらったところで、寝る最中に服脱いじゃう習性のせいで風邪ひき続けるワイと同じです🤧


原因4:ノイズ(誘導ノイズ・サージ) ⚡

インバータや大電流が流れる動力線の近くでは、センサの信号線がノイズの影響を受けることがあります。

典型的なのは、センサの配線が動力線と同じダクトの中で長距離並走しているケース。

動力線からの誘導ノイズがセンサの信号線に乗って、信号が乱れます。PLCの入力がチャタリング(信号が高速でON/OFFを繰り返す現象)を起こしたり、アナログ値が実際の計測値からかけ離れた数値を示したりします。

サージ(瞬間的な異常電圧)も原因になります。

電磁接触器やソレノイドバルブがOFFになる瞬間に発生する逆起電力が、同じ回路のセンサに回り込む。これが繰り返されると、センサの内部回路にダメージが蓄積して、最終的に壊れます。

この場合は本当にセンサが壊れているので交換は正解ですが、サージ対策をしない限り新品もまた壊れます。「なぜか半年で壊れるセンサ」の正体がこれだったりします 💀

確認ポイント:

  • センサの配線経路を確認する。動力線と並走している区間がないか
  • シールドケーブル(電磁シールドが施された信号ケーブル)を使っている場合、シールドの接地が片側で確実に取れているか
  • インバータの近くにノイズフィルタが設置されているか

ノイズ問題は一見するとセンサが壊れたとしか見えない症状を出すので、原因にたどり着くまでに時間がかかることが多い印象です。交換しても再発する場合は疑ってみてもいいかもです。

うるさい人の周りはみんな病んでく・・・人間社会と一緒ですねwww


対応の順番

そうはいっても、センサーが原因であることもいっぱいあります。以下、正解とは限りませんが確認順序の例です。

  1. センサ本体の異常の有無(外観)
  2. 汚れ(検出面の付着物、周囲環境)
  3. 取付け(ボルトの緩み、検出距離、LED表示)
  4. 配線(コネクタ、端子台、断線の有無)
  5. ノイズ(配線経路、シールド、フィルタ)

5のノイズについては影響有無の判断が難しいので、4までやったらセンサー交換してみてもいいかもしれません。

ただ、何も考えずにとりあえずセンサー交換してみよう、となると2の足を踏むことが多いので注意しよう、ってお話です。


まとめ

センサ異常の対応でやるべきことは、センサ本体以外の原因を潰していくことです。

配線、取付け、汚れ、(ノイズ)。こいつらを確認するだけで、大半の原因はカバーできます。無駄なセンサ交換の手間が減ることを考えれば、安いもんかもしれませんね。

ただ先ほども言ったように、センサは消耗品なのでもちろん壊れることもあります。

でも壊れたと決めるのは、他の3つ、4つの要因を潰してからでも遅くありません。

確認の順番を持っているだけで、復旧時間もセンサ在庫も、ライン停止の損失も変わります。

交換は多少調べた後で良いと思います 🔧


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