回路図を開いたとき、「この接点ってa?b?」で手が止まった経験はありませんか。
後で冷静に考えれば分かることなんですが、結構現場で迷いますよね。
そんなこんな考えてるうちに、

ってならないように解説します。(ちいかわかわいい)
まずは結論から。
a接点・b接点・c接点は、「コイルに電気が流れていないとき、接点がどうなっているか」で分かれます。
ここだけ押さえれば、回路図で迷うことはほぼなくなります。
3種類の接点:何が違うか 🔌
まず定義を整理します。
・a接点(メーク接点/NO:Normally Open)
コイルOFF時:開(電気が流れない) → コイルON時:閉(電気が流れる)
つまり、「普段は切れていて、通電すると繋がる」接点です。
モーターの起動回路、ランプの点灯回路など、「何かをONにする」場面で使います。
・b接点(ブレーク接点/NC:Normally Closed)
コイルOFF時:閉(電気が流れている) → コイルON時:開(電気が流れない)
a接点の逆です。「普段は繋がっていて、通電すると切れる」接点。
非常停止回路やインターロック回路で使われます。
設備を「止める」「禁止する」制御はほぼb接点です。
・c接点(トランスファー接点/CO:Change Over)
コイルOFF時:b接点側が閉、a接点側が開 →コイルON時:b接点側が開、a接点側が閉
a接点とb接点が1セットになったもの。
つまり、「切り替える」ための接点です。
共通端子(COM)から見て、通電するとa側に繋がり、非通電時はb側に繋がっています。
信号の切り替え、電源の切り替え(常用/予備の自動切替など)で使います。
回路図上での見分け方 📐
回路図を読むときに混乱する原因は、記号の見た目と実際の動きが頭の中で繋がらないことです。
ここで覚えておくルールは1つだけ。
回路図に描かれている接点の状態は、コイルに電気が流れていないときの状態です。
つまり回路図上で接点が開いていれば、それはa接点。
回路図上で接点が閉じていれば、それはb接点。ほんと これだけです。
c接点は回路図上で「COM端子から2方向に線が出ている」形で描かれます。
片方がa(開)、片方がb(閉)です。
接点に関係する故障モード 🔧
接点は物理的に動く部品なので、当然壊れます。
種類ごとによく起きる故障を整理しておくと、トラブル時の切り分けが早くなります。
a接点でよく起きる故障🔧
・接触不良(接点表面の酸化・汚れ)で、ONにしても導通しない
・接点の溶着(過電流やアーク)で、OFFにしても切れない
・動作回数の限界超過で、接点がON位置まで到達しない(バネのヘタリ)等
b接点でよく起きる故障🔧
・接点の溶着で、常時閉のまま開かない
→ 非常停止やインターロックが効かなくなる。安全上、最も危険な故障の一つ
・接触不良で、閉じているはずなのに導通が不安定
→ 設備が突然停止する間欠故障の原因になる
・接点のチャタリング(振動や衝撃)で、短時間にON/OFFが繰り返される
→ PLCの入力が暴れる 等
c接点でよく起きる故障🔧
・COM端子の接触不良で、a側にもb側にも導通しない
→ 完全に信号が途切れる
・切り替え時に一瞬どちらにも繋がらない瞬間で、下流の回路が一瞬落ちる
・a側だけ溶着して、切り替えができなくなる
→ 予備回路に切り替わらない 等
確認手順:接点の故障を疑ったとき 🔍
PLCがある場合💡
- 該当する入力アドレスのON/OFF状態をラダーモニタで確認する
もしくはロガーユニットを使用 - 接点を操作して(リレーを手動でON/OFF、またはテスタで強制)、PLCの入力状態が追従するか見る
- 追従しない場合:接点の端子間を直接テスタで導通測定する
- 導通に問題がある場合:接点の交換、またはリレーユニットごと交換
PLCが見れない場合✖
- 接点の端子間にテスタを当てて、導通/開放を直接測定する
- リレーのコイルに通電した状態と非通電の状態で、接点の導通が切り替わるか確認する
- 切り替わらない場合:接点の固着(溶着)またはバネのヘタリ
- 切り替わるが不安定な場合:接触面の劣化。接点を交換する
どちらの場合でも、測定前に対象回路の電源を確認すること。
活線で接点を外すと、アークで接点がさらに傷みます ⚡
てかそれ以前に危ないですよね⚠️
記録テンプレ:接点故障を記録するときの項目 📝
接点の故障は交換して終わりにしがちですが、
記録を残しておくと再発防止の判断材料になります。
記録すべき項目:
・どの接点か:リレー型番、端子番号、a/b/cの種別
・いつ:発生日時、設備の運転状態(定常運転中/起動時/停止操作後)
・何が起きたか:導通しない/切れない/不安定/チャタリング
・推定原因:接点酸化/溶着/バネヘタリ/振動/過電流
・対処:接点交換/リレー交換/ユニット交換
・動作回数(わかれば):交換前のリレーの累積動作回数、または使用年数
特にb接点の故障は安全回路に直結するので、
「何年使ったリレーで、何が起きたか」を残しておくと、
交換周期の判断に使えます。
よくある誤解 🤔
誤解①:a接点は「ON」、b接点は「OFF」
→ そうではないです。a接点は「通電で閉じる」、b接点は「通電で開く」。
ON/OFFは回路全体の話であって、接点単体の性質とは別です。
誤解②:c接点はa接点とb接点を「2個使っている」のと同じ
→ 機能は似ていますが、c接点はCOM端子を共有しているので配線が異なりま す。
また、切り替え時の「どちらにも繋がらない瞬間」はc接点特有の挙動です。
a+bで代用するとこの瞬断が発生しません(ただし同時ONの瞬間が発生する可能性があります)。
誤解③:接点が壊れたらテスター当てれば分かる
→ 静的な導通測定では見つからない故障があります。
接触抵抗が高くなっているだけ(まだ導通はある)、振動時だけ瞬断する、高温時だけ接触不良になる、といったケースです。
テスタで問題ないように見えても、実際の運転条件で再現するかどうかは別問題です。
まとめ ✅
a接点・b接点・c接点は、「コイルに電気が流れていないとき、接点がどうなっているか」で分類されます。
・a接点:普段は開。通電で閉じる。
・b接点:普段は閉。通電で開く。
・c接点:aとbのセット。通電で切り替わる。
回路図の記号はコイル非通電時の状態を表しています。
現物が回路図と違って見えるときは、そのリレーのコイルに今、電気が来ているかを確認する。
この原則だけ押さえておけば、回路図で迷うことはなくなります。
接点は物理的に動く部品なので壊れます。
特にb接点の故障は安全回路に直結するので、交換履歴と動作回数を記録しておくことをおすすめします 🧰
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