再発防止策の引き出しを整理する:4分類と暫定・恒久の使い分け

📓保全ノウハウ📓

ご安全に!まんぬです👷‍♂️⚡

故障が起きたら原因を調べて、対策を打つ。
これは保全の基本中の基本です。

ただ対策を打つとき、頭の中の引き出しが整理されていないと毎回ゼロから考えることになります。

何が問題って、社内で早急な対策を求められているのに対策の立案から時間かかるんです。

対策の引き出しが分類されていれば、故障が起きたときに「今回はどの引き出しを開けるか」で立案が速くなります。

理想的には、

「このパターンね、はいはいワロスワロス😪

ぐらい冷めてるぐらいパターン化出来ていると頭の中がかなり整理されているのではないでしょうか。

この記事では、再発防止策を4つの分類で整理し、暫定対策と恒久対策の使い分けまで踏み込みます。


再発防止策の分類

故障後に打つ再発防止策ですが、ワイは4つに分類しています。
①→④に向かうほどコストは上がりますが、効果の持続性も上がります。

① 人の行動を変える 📋

標準書・手順書の作成や改訂、教育・訓練の実施、チェックリストの導入、ヒヤリハットの共有。

コストが低く、すぐに着手できるのが最大の強みです。

ただし人が守ることが前提なので、守られなければ効果はゼロになります。

ワイも過去に標準書を作ったから対策完了で報告を出したことがありますが、3か月後に同じ故障が起きて現場を見に行ったら、その標準書を誰も読んでいませんでした。

棚に置いてあるだけの標準書は、存在しないのと同じです 😇

標準書を作るで終わりではなく、守られる仕組みまで必ずセットで考えてください。

チェックリストに組み込む、教育で周知するなど、仕掛けがないと①の対策は形骸化します。

やろうとするとめちゃくちゃ嫌がられますけどね・・・しょうがないです。

② 設備・ハードを変える 🔧

部品交換、改造工事、インターロックの追加、センサ・監視機器の追加。

人の行動に依存しないので、効果が安定します。

特にインターロック追加は、人が間違えても設備が止まる仕組みなので、①よりも確実性が高いです。

ワイの現場でも、誤操作でポンプが空運転する故障が繰り返し起きていた設備に液面スイッチのインターロックを追加したら、その故障はぴたりと止まりました 🔧

ただし計画停止が必要になるケースが多く、コストもかかります。

次の定修まで実施できないことは日常的に起きるので、①や③で暫定的に時間を稼ぎながら、②を計画に織り込むのが現実的な進め方です。

③ 仕組み・運用を変える ⚙️

点検頻度・点検項目の見直し、予備品の確保・管理方法の変更、記録フォーマットの整備、メーカー定期点検の導入。

故障そのものを防ぐというよりは、故障が起きたときのダメージを最小化する方向の対策が多いのが特徴です。

地味ですが、①②④のどの対策と組み合わせても効果を底上げする下地になります。

たとえば予備品を手元に確保しておけば復旧までのリードタイムが短くなりますし、点検頻度を上げれば予兆を早期に拾える確率が上がります。

③を整備しているチームとしていないチームでは、同じ故障でも復旧時間に数時間の差が出るように思います。

派手さはありませんが、他の分類と掛け合わせたときに真価を発揮する縁の下の分類です。

④ 設計・更新で根本から変える 🏗️

設備更新、制御方式の変更(リレー回路→PLC化など)、レイアウト変更。

コストは最も高いですが、そもそもその故障が起きない状態を作れます。

同じ故障を何年も①〜③で時間を稼ぎ続けている設備があるなら、④を検討する段階に来ている可能性があります。

ただし、いつか更新するのまま先送りし続けると、①〜③の暫定対策を積み重ねてしのぎ続けることになります。

更新には予算と優先順位の判断が必要で、保全部門だけでは決められない領域です。

ここでは④という選択肢が存在することだけ押さえておいてください。


暫定対策と恒久対策の違い 🔀

4分類のそれぞれは、暫定対策にも恒久対策にもなり得ます。
分類と暫定/恒久は別の軸です。

■暫定対策の例
・点検頻度を上げる(③)
・予備品を手元に置く(③)
・運転条件を制限する(①)
→根本原因は残っていますが、再発リスクを一時的に下げる処置です。恒久対策完了までのリードタイムが長い場合に実施します。

■恒久対策の例
・部品の材質変更(②)
・インターロック追加(②)
・設備更新(④)
→根本原因そのものを潰して、同じ故障が二度と起きない状態にする処置です。

使い分けのポイントは「恒久対策にはコスト・時間・計画停止が必要」という現実です。

先ほども言ったように、恒久対策に時間がかかる場合は、暫定対策で時間を稼ぎながら計画的に進めるのが基本形です。

ただし暫定で逃げ続けることは根本原因が残ったままなので、いつか同じ故障が来ます。

かといって全部恒久にしろ、というのもリソースが有限な以上現実的ではありません。

今は暫定で凌いでいるが恒久対策はいつ実施するのか、を管理しておくことが重要です。


なぜなぜ分析で出た対策をどう仕分けるか 🧩

なぜなぜ分析をやると、原因の各段階に対して対策候補が複数出てきます。

5個も6個も出てきて「これ全部やるの?」という空気になったこと、一度はあるのではないでしょうか。

ワイは何度もあります 😅

出てきた対策は3つに仕分けます。

「すぐやる(暫定対策)」はコストが小さくすぐ実施可能なもの。
「計画してやる(恒久対策)」は計画停止や予算が必要なもの。
「やらない(受容する)」はコストに見合わない、またはリスクが十分に小さいものです。

ここで重要なのは、「やらない」と「放置」は違うということです。

「やらない」は「このリスクはこの理由で受容する」と判断し、その根拠を記録に残すことです。

「放置」は判断をせずに忘れることです。

記録に残すかどうかで、後日同じ故障が起きたときの対応スピードがまったく変わります。


どこまでやるかの判断基準 ⚖️

判断基準は、対策のコストと故障が再発したときの影響のバランスです。

感覚で判断すると、声の大きい人の意見が通るか、直近で痛い目にあった設備が無条件で優先されます。

ワイも「とりあえず部長にマークされてる設備を先にやれ」ということで優先順位が決まった経験が何度もあります 🫠

数字で比較できる状態にしておけば、会議で「なぜこの対策を先にやるのか」を根拠をもって説明できます。

ただし安全に関わるものはコスト比較の前に最優先です。

コストに見合わないから安全対策を打たないという判断は存在しません。
ここだけは無条件で最優先にしてください。

コスト判断の具体的な方法論はこの記事の範囲を超えますが、感覚ではなく数字で比較するという入口だけ押さえておいてください。


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最後に 👷‍♂️

再発防止策の引き出しが整理されていれば、故障が起きたときの立案スピードが変わります。

4分類×暫定/恒久で整理すると、「今すぐできること」と「計画して進めるべきこと」が見えてきます。

すべての故障に完璧な恒久対策を打つ必要はありません。

暫定で時間を稼ぎながら、計画的に恒久対策を進める。

このサイクルを回し続けることが、再発防止の基本形です。

ご安全に 👷‍♂️⚡


設備ごとのリスクを金額化して優先順位を比較するExcelテンプレートをnoteで公開しています。
https://note.com/mannu_bot

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