ご安全に!まんぬです👷♂️⚡今回も張り切っていきます!
「今日も残業っす!」がなぜか褒められる職場
保全現場には、不思議な空気があります。
ワイ「今日も残業っす!」
先輩「おっ、頑張ってるねぇ」😇
このやり取り、一度は見たことあるんじゃないでしょうか。
逆に、定時で帰る人はどうなるか。
「あいつ、もう帰ったの?」
「まだ仕事残ってないの?」
── 仕事を片付けたから帰ってるのに、なぜか怠けてるみたいな目で見られます。
「忙しい=偉い」
「残業=頑張ってる」
この価値観が、多くの日本企業で染み付いています。
保全ももちろん例外ではありません。
ワイはずっと「なんでこれが普通なんだ」と思ってます。
仕事の成果で評価されるなら分かります。
でも現実は「何時間いたか」が評価軸になっている。
定時で帰ると、「お、早いね!なにかあるの?」と言われたときにいつも思うんです
帰る用事があるんだよ!!!!!!
これ、何なんでしょうね。
もちろん精神論の話ではないです。
定時で帰れない状況を生んでいるのは個人の意志の弱さじゃなくて、その職場を取り巻く構造だと考えてます。
今回はその構造を4つに分解します。
「定時で帰れない」状況を生む4つの構造的な仕組み
仕組み1:成果が見えにくい職種で「時間」が代替指標になる
保全の仕事は色々ありますが、根底の目的としては「設備故障による設備停止時間をいかに少なくするか」です。
理想の状態は「何も起きないこと」です。
(本当は故障しやすい箇所を点検/修理しやすくすることも挙げたいんですが、また別の機会に・・・)
でも「何も起きなかった」って、評価しにくいんです。
目に見える成果物がない。
数字にしにくい。
報告書に書くことがない。
「今月の成果は?」
「設備が壊れませんでした」
「……で?」😇
結果、何が起きるか。
「投入した時間」が代替指標になります。
長く働いてる人=頑張ってる人、という錯覚が組織に定着する。
「昨日22時まで残ってたよ」→「おっ、頑張ってるね」
「大変だったね」ならわかるんですが、「頑張ってるね」は少し違うと思います。
仕組み2:突発対応への過剰評価(火消し英雄主義)
故障を未然に防いだ人より、徹夜で復旧した人が褒められる。
「あいつは現場で頼りになる」
── 「火消しが上手い人」のことを指しています。
深夜に呼び出されて3時間で復旧した。
それは確かにすごい。否定はしません。 ワイもそういう人に何度も助けられてます。
でも「先月、予防保全をしっかりやって突発故障をゼロにした人」はどうなるか。
「今月静かだったね」で終わりの現場が多いんじゃないでしょうか。
故障ゼロが成果として認識されにくい😇
ワイは言いたいです。。。
静かなのはおまいが頑張ったからだよ!!!!
火消しが評価される組織では、火を防ぐ人が報われません。
結果、みんな火消しに最適化していく。
これが「忙しさが終わらない」の正体の1つです。
仕組み3:「予防保全で何も起きなかった」が評価されない構造
仕組み1と仕組み2の合成形です。予防は不可視。
これが構造的にきつい。
「先月、トラブルゼロでした」
── これ、上司にどう読まれるか。
「何もしてない」もしくは「余裕あるな」と読まれます。
いや、何もしてないんじゃなくて「何も起こさなかった」んです🔧
「何も起こさない」ために必死こいて思考張り巡らしてます。
設備を止めて計画的に点検して、部品交換して、記録を残して、だから壊れなかった。
その一連の作業は見えない。
見えるのは「トラブルゼロ」という結果だけで、「何もなかった=何もしてない」と解釈される。
予防の価値を可視化する仕組みが、ほとんどの組織に存在しません。
だから予防に力を入れても評価されず、結果として突発対応に追われ続ける。
悪循環の完成です🔥
仕組み4:シフトの狭間で「残るか/呼び出されるか」の二択を強いられる構造
ここからが個人的に思い入れがある、本記事の本題です。
仕組み1〜3はどの保全現場でも共通する話ですが、仕組み4は保全特有、中でもワイの職場の構造です。
現場は24時間動いてて、保全が日勤と夜勤しかいない職場。
Xでもつぶやいたのですが、現場の交替が4-3で保全が3-2なんです。
正確に言うと、日勤と夜勤の合間(夕方〜夜勤の開始まで)、誰もいない状態です。
この間にトラブったらどうなるか。
選択肢は2つしかない。
選択肢1:残ってる人が対応する。
選択肢2:帰った人を呼び出す、または夜勤者の早出出勤を依頼する。
両方やらない/指示しないと無責任扱いです。もう逃げ場ゼロ😇
「残った人=信頼できる人」
「呼び出しに応じる人=頼れる人」
両方できないと、なんか保全担当として失格な空気が漂う。
帰ったら帰ったで「あいつは呼んでも来ない」
残業かさんでくると「早く帰れ」
かぁ〜〜〜〜!!!愚痴になってまう~~~~!!!!
いずれにせよ、どっちに転んでも定時で帰る人が正当に評価される世界線が存在しません。
金曜の17時過ぎに電話が鳴ったときの絶望感、保全担当なら分かりますよね。
最近はもうそろそろ電話が来るなって心の準備をするようになりました。。。。
「今週もお疲れさまでした」の5分後に「すみません、○号機が……」😇😇😇
みたいにくるので。
あとここからが本題なんですけど。
ワイの会社、現場操業スタッフは操業管理責任という名目で残業代以外に月数万円規模の特殊手当をもらってます。
24時間の操業を管理する。
それはもちろん責任の重い仕事です。
制度としても珍しいたぐいだと思うので、もらえること自体が特別で恵まれてるでしょう。
それは認めます。
で、保全スタッフは?
呼び出しあるのに、残業代以外の手当なし。
24時間体制を支えてるのは現場操業だけじゃない。
保全だって、夜中に呼び出されて駆けつけてる。
自宅でいつ電話が鳴るか分からない緊張感の中で、365日過ごしてる。
なんだったら現場スタッフよりよっぽど夜間・土日・お盆・年末年始呼び出されてます。
評価の差、手当の差。 合理性が見えない。
同じ24時間体制を支えてる側なのに、片方にだけ手当がある。
誤解のないように言っておくと、操業の人たちが悪いわけじゃないです。
手当をもらっている個人に文句を言いたいのではない。
問題は「保全の24時間対応が、制度として評価されていない」という構造にあります。
残業代は出る。呼び出し手当は出ない。
「来てくれてありがとう」は言われる。でも制度には反映されない。
「頼りにしてるよ」は言われる。でも手当には反映されない。
「ありがとう」で電気代は払えません。
これを「やりがい」で片付けられる時代は、もう終わってると思います😇
嫌ならやめろと言われればそれまでてすが、これを解決しない内は保全という職種自体の人口減少は今後も減る一方です。
残業文化が組織に何をもたらすか
「忙しい=偉い」の文化を放置すると、組織に何が起きるか。
段階的に壊れていきます。
短期的には、精神論で現場が回ります。
「気合い」「責任感」「チームワーク」
── 美しい言葉で過重労働が正当化されて、若手から順番に辞めていきます。
「ベテラン+新人」職場の完成です。
最近の若いのは根性がない?
違います。構造がおかしいんです😇
中期的には、予防保全の優先度がどんどん下がります。
人が減る→突発対応に追われる→予防に手が回らない→さらに突発が増える
見事な負のスパイラルです。
「忙しいから予防ができない」のではなく、「予防をしないから忙しくなる」が正しい因果関係なのですが、渦中にいるとそこが見えなくなる😇
長期的には、ベテランが引退した瞬間に組織が崩壊します。
残業と気合いで回していた仕組みの中核が消えるので、当然です。
属人化された暗黙知と一緒に、対応力そのものが消える。
「あの人がいないと回らない」状態のまま、あの人がいなくなる日が来ます。
「忙しさ自慢」は、静かに組織を壊します。
誰も意図していないのに、結果として若手は逃げ、予防は後回しになり、ベテランが消えたら終わり。
構造を変えないと、この流れは止まりません。
「忙しい」から「効いてる」へ評価軸を変える3つの動き
ここからは「じゃあどうするか」の話です。
ただし、「これをやれば明日から変わる」なんて簡単な話ではないです。
「評価の視点を変える」という方向性を3つ書きます。
動き1:時間ではなく「未然防止の件数」を可視化する
「先月、トラブルゼロでした」を、成果として記録する。
「故障が起きなかった」は「何もしてない」ではなく「予防が効いた」と読み替える。
具体的には、日常点検で発見した異常の件数、計画的に交換した部品の件数、計画停止で対処したトラブルの芽
──あくまで一例です。こういった「未然防止の実績」を数字として残していきます。
数字が残っていれば、「何もしてない」とは言わせない材料になります。
もちろん、これはKPIを設計するという話ではないです。
「見えない成果を見える形にしておく」という視点を持つことが第一歩です。
動き2:突発対応の「火消し」より「再発防止」を評価する
ここは制度の話です。
火消しが上手い人は確かにすごい。
でも組織として評価すべきは、「次は起きないようにした人」です。
「3時間で復旧しました」
よりも
「再発防止策を作って、同じ故障の再発をゼロにしました」
の方が、組織への貢献度は高い。
火消しは「今」を救う。再発防止は「未来」を救う。
「再発防止を作った人が評価される」
── この価値観を、チーム内で共有するだけでも空気は変わります。
当たり前のことを言っているようですが、仕組みとして評価制度の項目にしっかり落とし込むところまでやるべきです。
技能職メンバー、スタッフ、管理職一体となって会社側に訴えていくべきところです。
特に退職者がやまないワイの職場のような会社はなおさらです。
動き3:「定時で帰れる保全チーム」を理想像として明示する
「忙しい=偉い」の真逆を、チームの理想像として言語化する。
「定時で帰れる状態が、保全チームの理想の姿です」と明文化する。
これは上司や経営層に対して「定時で帰れるチーム=予防が回っている証拠です」と説明する材料にもなります。
「残業が少ない=サボっている」
ではなく、
「残業が少ない=仕組みが回っている」
と読み替えさせる。
口で言うのは簡単ですが、まず「理想像を言葉にする」ことから始めないと何も変わりません。
それでも組織は急には変わらない
ここまで書いてきたことは、正しいと思っています。
でも正しいことが明日から実現するかというと、しません。
組織の評価軸を変えるには時間がかかります。
上司が変わるかもしれないし、経営方針が変わるかもしれないし、何年かかるか分からない。
そもそも「評価軸を変えよう」と提案できるポジションにいない人の方が多いはずです。
だからこそ、個人レベルでできることをやっておく必要があります。
まず、「自分は残業文化に巻き込まれない」と決めること。とても大変ですが。
忙しさで自分の価値を測らない。
「今日も22時まで残った」を自慢にしない。
次に、記録を残すこと。
毎月の点検報告に「未然防止件数」を1行足す。
計画停止で対処したトラブルの芽を記録する。
「自分がやったこと」を数字で積み上げておく。
これは将来、異動の面談、昇格の場面、チーム方針の提案
── どこかで必ず使える材料になります。
「忙しさで評価されない自分」を自分自身がすごいと認めること。
定時で帰れる日に後ろめたさを感じる必要はないです。
予防が回って設備が安定しているなら、それは成果です。
周囲が「早く帰ったね」と言ってきても、「ええ、予防が効いてるので」と思っていればいい。
そして、訴え続けること
声をあげない限り、組織は変わりません。
「あいつらドMだからこのままスタイル変えんでええやろ」
って思われてます。
ふざけんじゃねぇ
とは言わない方がいいですが、声を上げ続けてください。
何度も言いますが、組織は急に変わりません。
でも、自分のスタンスは今日から変えられます。
まとめ+次に読む記事
残業文化は、精神論ではなく構造論です。
「忙しい=偉い」が染み付いている限り、保全は楽になりません。
この記事で分解した4つの構造を改めて整理します。
仕組み1:成果が見えにくいから「時間」が代わりに評価される。
仕組み2:火消しが英雄化されて、予防する人が報われない。
仕組み3:「何も起きなかった」が「何もしてない」と読まれる。
仕組み4:シフトの狭間で呼び出し対応を強いられるのに、手当がつかない。
どれも個人の問題ではなく、組織の評価軸の問題です。
構造を変えないと、残業は減りません。
しかし、構造の存在を認識することが変化の出発点です。
「定時で帰れる保全チーム」が理想の状態。
ワイはそう思ってます。
次に読む記事
故障記録を「ただの報告書」ではなく「未来の予算獲得の武器」として活用する考え方を書いた記事です。
仕組み3で書いた「予防の成果を見える形にする」と直結します。
👉故障記録は未来の稟議書──記録が予算を動かす
オペレーターのミスで設備が止まったのに、残って直すのは保全だけ
── 仕組み4で書いた「保全に残業が集中する構造」を、責任の所在という別の切り口から考えた記事です。
👉オペミスで止まった設備、保全だけが残る──責任の所在を構造で考える
保全DXで「データを見える化する」と言いながら失敗する原因を書いた記事です。
動き1で書いた「未然防止の件数を可視化する」を実装しようとしたときに、何がハマりどころになるか分かります。
👉製造業DXで失敗する保全現場のリアル
このブログでは、工場の電気保全の実務に使えるノウハウを発信しています。
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